木造住宅で木材の炭素固定ができる?
木材のエコロジーな働き
地球温暖化と温室効果
地球温暖化の原因は過剰な温室効果です。この過剰な温室効果をもたらす原因は。人類の生産活動による二酸化炭素などの排出です。
地球が誕生した46億年前から地球は太陽からエネルギーを受けてすっと加熱され続けています。普通に考えればとっくに溶けてしまっていてもおかしくないのです。ですが地球が溶けない理由は、地球は太陽から受けや光や熱のエネルギーを宇宙空間に放射して戻しているからなのです。
このエネルギーは地球内部や表面で循環しながら宇宙空間に戻っていくのですが、温室効果とは大気がエネルギーを保持する働きの事を言います。この大気でのエネルギーを保持する働きを担っているのは、主に二酸化炭素で、温室効果ガスと呼ばれています。温室効果ガスがないと地球の温度はマイナス18℃になるとも言われています。 ところが現代では、大気中の温室効果ガスの濃度が急速に高まりました。その結果過剰な温室効果が起こり、地球温暖化をもたらすことになってしまいました。これは人間の経済活動によって大量に発生し続けている温室効果ガスの増大(二酸化炭素濃度の増加)が原因なのです。
地球温暖化にむけて日本の取組
この状況を回避するために1992年地球サミットがブラジル リオデジャネイロで開催され、また1997年には第3回締約国会議(COP3)が京都で開催され、京都議定書が採択されました。こでにより、日本は温室効果ガスを1990年比で6%削減することをめざし、「チームマイナス6%」などの運動が始まりました。2015年にパリで開催されたCOP21では2020年以降すべての国が参加する国際的な温暖化対策について「パリ協定」が採択されました。
この6%の削減量の内の3.8%は森林による二酸化炭素の吸収量で達成する計画となり、この目標に向けて日本各地で「木づかい運動」が展開されているのです。
二酸化炭素を固定し続ける木材
植物は1年から数年かけて成長し、果実(種子)がつくられると地上に生えている部分は枯れてしまいます。枯れると微生物に分解されるなどして、成長の過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素は再び大気中に戻されます。
一方樹木は年十年何百年もかけて成長するので、生きている間は光合成により大気中の二酸化炭素を吸収し続けます。そのため、地球温暖化を防止する働きがあると言えます。
さらに樹木が伐採されて木材や木製品になっても炭素は固定されたままです。この炭素は大気中の二酸化炭素を取り込んだことに由来しており、これによって大気中の二酸化炭素を固定していることと同じであるとみなされます。 木材に含まれる炭素は燃やさない限り固定されたままなので、私たちの身近なところに木製品が増えれば増えるほど待機中の二酸化炭素は減っているという考えになります。
木造住宅が固定している炭素の量
ところで、一般的な木造住宅では、どのくらいの炭素を固定していることになるのでしょうか。
日本の木造住宅では、一戸あたり20=30㎥の木材使用量が一般的ですので、ここでは25㎥の木材を使用したとして考えることにします。
今回はスギを使用したと仮定すると、炭素固定料は約3,925kgとなり、1戸当たり約4トンの炭素を固定していることになります。これを二酸化炭素に換算すると14,392kgとなり、一般的な木造住宅で大気中の二酸化炭素を約14トンも固定していることになるのです。 つまり解体して燃やしてしまわない限り、約14トンもの温室効果ガスを固定し続けることになり、このことにより環境に対して社会貢献しているということにもなると言えるのです。
ぎふの木ネットの取組
ぎふの木ネットでは、協議会基準の木造住宅を建てられた場合、その物件の木材使用量に関する書類を作成しお渡しします。その書類と必要事項を記載した書類を岐阜県林政部県産材流通課に提出していただくと、岐阜県知事の名前で「CO2固定量の認証」の証明書を発行していただけます。 こういったことからもご自分の住宅が社会貢献につながっているということを意識していただけると思います。
森を守るために
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