取材レポート

丸七ヒダ川ウッド訪問記

七宗町へのドライブ

国道41号線を北上、美濃加茂市から川辺町へ入ればじきに七宗町に入る。七宗町というと岐阜市あたりから遠く離れた山岳地帯といったイメージだったが、意外と近いのだ。四方を山で囲まれた美しい町だ。町に入ってすぐに目的地(株)丸七ヒダ川ウッドはあった。

車から降りると、そこはやはり製材所らしい景色と香り。すぐ横を流れる飛騨川の心地よいせせらぎの音が心をいやしてくれる。

東農桧のオンパレード、いたるところに木材を使用したオフィス

早速、オフィスを訪ねた。ここに入ってまずびっくりしたのは、床、天井、壁、扉、テーブル、神棚、その他の調度品、どれを見ても木の良さが見事に主張されたものばかり。あいさつをそこそこに、大岩弘幸社長にそのあたりの感動をぶつけてみたら、嬉しそうにいろいろと説明してくれた。

ここの製品は柱、羽目板などの板、フローリング。特徴的なのは、扱っている材のすべてがブランド東濃ヒノキであること。そういえば、ここ七宗町はヒノキが町の木だそうだ。東濃ヒノキは年輪幅が小さくきめ細かいこと、年輪の偏りが少なく正円であること、強く、粘りがあることなどの特徴があるという。

東農桧物語

考えて見れば、ここ七宗町や白川町は加茂郡であり、DR.みのりんの知識によれば、東濃ではなく確か中濃のはずだ。なんてな疑問を社長にぶつけたところ、「東濃檜物語」という本を持ってきてくれ、これにネーミングのいきさつが詳しく書かれてあるとのことだった。簡単に口頭で説明されないことからすると、ロングストーリーのようだ。その本も結構分厚い。東濃ヒノキのブランド名にもちゃんといわれがあるのだ。もちろんここあたりで得られるヒノキもピンからキリまであり、淡くピンクを帯びた上等な物ばかりではない。

良い製品には原材料からというわけで、原木市場で良質な丸太を選び出す目利きのある職人がいるというのもここの自慢。それを使っての製材、乾燥から最後の仕上げ上げまで細心の注意を払っており、JAS(日本農林規格)の基準より厳しくしているくらい、できた製品の品質にはこだわっていると社長は胸を張る。

工場内見学 美しい東農桧

ここでも和室の減少に伴って肝心の柱のニーズが減って苦戦しているとのこと。そこでオーダーメイドも手がけ、さらには神社仏閣も事業を広げている。

工場では、板に挽いている工程をじっくり見せてもらった。もちろんすべて機械が行っている。機能性はもちろん意匠等にも優れた壁材の製造工程も興味深く見せてもらった。できあがったものを見ると実に美しい。たくさんできる端材ですら美しいもので、ゴミ箱から思わず少々頂戴してしまった。基本的には材は燃料にするかチップとして活用するかである。バークも敷地内に山と積み上げられていたが、一部はバーク堆肥として使われたりしているとのことだそうだが、量販店で安く売られていることからわかるようになかなか商売にはならないようだ。

こだわりの乾燥技術

ご多分に漏れず、ここでも乾燥工程にもこだわっている。低温乾燥、高温乾燥。背割りありの材で、じっくりと低温乾燥されてできた柱材は実に美しいものだ。

さて、虫や野鳥の好きなDR.みのりん。敷地内の見学途中にも、動く物がいると視線がついそちらへ向かう。製材工場の中からハクセキレイが飛び出してきた。工場内で子育てしているようだ。天敵の心配が少なく、安心・安全の住まいかもしれない。

前日の雨のためか、敷地内にはあちらこちらに水たまりがあり、そのあたりをなんとオニヤンマが飛んでいた。そのあたりに卵でも産みそうであった。帰り際に防火用水とおぼしき水だめ発見したが、そこではシオカラトンボと共に美しいギンヤンマの飛翔が見られた。

工場のすぐ際には飛騨川の清流が流れ、深い谷を形成している。前日の強い雨で濁りが見られ、水量も多くなっていたが、素晴らしい眺めだ。春には川沿いに桜が咲き、工場内からも花見が楽しめるという誠に贅沢な工場だった。