取材レポート

岐阜県森林組合連合会 東濃共販所の見学

五月晴れのドライブ日和にわくわく

DR.みのりんの第1回目の訪問は、恵那市にある岐阜県森林組合連合会東濃共販所。
風薫る5月13日、からっとした五月晴れの中、半ば観光気分で岐阜を出発。東濃地方へのお出かけは中央高速を利用する習慣のDR。みのりん、今回は新緑真っ盛りの時期だけに、急遽予定を変更して、新緑を愛でながらのドライブをと下道を選択。これがまさに大正解!岐阜の山の美しさを再認識することになった。

下道で岐阜の山の美しさを再認識

懐かしの「きなあた瑞浪」にて昼食タイム

陶磁器業界で我が国最大のシェアを誇る美濃焼の本場、多治見市、土岐市、瑞浪市とそれぞれの風情のある東濃の街を順調に走る。お腹がすき始めた頃、瑞浪市の農産物等直売所「きなあた瑞浪」の看板を発見。何をや隠そう、ここはDR.みのりん思い入れのある場所。この販売所ができたのは、瑞浪で収穫される「まこもたけ」と地元ご自慢の「瑞浪ボーノポーク」を使った「瑞浪伽哩」という名の瑞浪市の新特産物レトルトカレーの完成であった。10年ほど前に、これらの試作品づくりなどの支援をさせていただいたDR.みのりん、ここに立ち寄らないわけにはいかない。
ここでランチを食べた後、当然ながら、「瑞浪伽哩」を買った。美味で定評のあるボーノポークとシャキシャキ感たっぷりのまこもたけ入りのカレー、早速この日の夕食のテーブルに乗ることとなった。

東濃共販所に到着

山に囲まれた里山の風景を堪能しながら恵那市へ入る。訪問先の東濃共販所への道はいたって単純。下道を走っても余裕をもって到着できた。
着いてまず目に飛び込んできたのは、広い敷地に高々ときれいに積み上げられた丸太とそれらを繰る大きな重機だ。それらを見学したい気をひとまず抑えて、まずは“アリバイ証明“のために看板前で記念撮影。これが仕事初めだ。薫風に乗ってウグイスやホオジロのさえずりが心地よく耳に入ってきた。

東濃共販所に到着!

大量の東濃桧原木に感動

岐阜県森林組合連合会(県森連)の丸田さんから親切な説明を受ける。木材の加工などについては、いままでいくつかのプロジェクトの立上げ等を支援させていただいた経験のあるDR.みのりんではあるが、このようにたくさんの丸太を見るのはほとんど初めて。しかも、スギ、マツ、モミが少しあるものの、ほとんどが岐阜のブランドとして名高い東濃ヒノキ。一帯が良い香りに包まれるわけだ。  山で伐採された木は太さ、長さ、曲がりなどでその場で選定されて木材業者に渡ることになるが、そうでない場合にはここにいったん集積されて、選定などされたうえ、ここで月2回開かれる市で取引されてゆく仕組みだ。道理でここに膨大な丸太が集積されるわけだ。

圧倒的数の東濃ヒノキ
ここで月2回、市が開かれます

原木も自動で選別される?

大きな重機で丸太を何本かをまとめてつり上げたり、選木機にかけたりしている間に樹皮が剥けてくるが、こうしたいわゆるバークが数メートルの大きな山になっている異様な光景も新鮮だ。放ってゆくとこれらが発酵して発熱してくるとのこと。
丸太は野ざらし状態で、暑い日が続くと急激な乾燥のために木材にひびが入るようになる。管理にも気を遣うようだ。
当然ながら、ここに集まってくる丸太を選定して仕分けをするのがここでの主な作業。伐採された丸太を径と長さで選別する仕分け作業は目視に頼りながら機械による運搬、分別で行われている。県森連の安田さんの熟練された作業、なかなか見られない光景にしばし見入ってしまった。
3日後には市が行われので、その場にいると様子がよくわかりますよと再度の見学を勧められたものの、残念ながら多用のために行けず。
定例の市では平均して300~500m3の丸太が取り扱われるとのこと。20トントラックでも何十台とありそうだ。

熟練された機械操作
丸太は径と長さで選別されます

森が抱える問題に直面

ここにいると、こうした国産材が順調に流通している印象を持ってしまう。丸田さんによれば、戦後、国を挙げて植林に励んだ結果、多くの山にヒノキやスギが植えられたが、それ以後数十年経って多くの木が収穫期を迎えてはいるが、思うように伐採されずに放置されているという。木がこれ以上成長しすぎると径が大きくなりすぎて、規格にあわなくなるので、一刻も早く切る必要があるにもかかわらず、切る人が足らない状況だそうだ。一つの山全体を皆伐して、新たに苗を植えてもシカに食われてしまう。そもそも山の持ち主さえよくわからないケースも増え、林業従事者も高齢化が進み、人材不足が深刻とのこと。
やはりそうなんだ、一般論としてはよく聞いていた話ではあるが、当事者から直接聞くと説得力がある。当然ながら、我が国の最大の資源である森林をめぐる課題はあまりにも大きい、このことを改めて痛感した訪問であった。