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郷土料理「朴」の葉の話

岐阜県には飛騨地方を中心にホオノキの葉を使った郷土料理が2種類あります。
それは「朴葉味噌」と「朴葉寿司」です。

朴葉味噌

「朴葉味噌」は飛騨・高山地方の郷土料理です。
朴葉の上に、自家製の味噌にきのこ、山菜などをのせ焼きご飯にのせて食べられます。
現在では特産である飛騨牛も朴葉味噌で焼き、観光業を中心に国内外のお客様に楽しんで頂く料理としても親しまれています。

朴葉寿司

「朴葉寿司」は、岐阜県の中濃・東濃・飛騨地方に伝わる郷土料理です。
朴葉寿司自体は、長野県や奈良県でも郷土料理とされているようですが、一説には岐阜県から広まったものとされています。

岐阜県内でも地方により作り方や載せる具が様々で、また食べる時期も違っています。
例えば飛騨地方では端午の節句に食べられているようですが、中濃・東濃地方では、日常的な昼食として食べることがあるようです。

なぜ、ホオノキの葉?

岐阜には様々な木があり、なぜその中でもホオノキなのか。
気になりますよね。

葉っぱが大きいから?
と思われる方もみえると思いますが、葉が大きいからだけじゃないのです。

実は、ホオノキは抗菌作用があります。
なので、ほかの木の葉に包むよりも日持ちがいいのです。
昔農家や木こりが昼食にご飯を持っていくときにホオの葉にくるんで持って行ったのが始まりだったといわれています。
また、香りがいいのも特徴です。

では、ホオノキがどんな木なのか、少しご紹介しましょう。

ホオノキはモクレン科モクレン属の落葉広葉樹です。
日本全国の山々で見られる木で、写真からもわかるように一枚の葉が大きく、同様に大きな白い花も咲かせます。

木材としても重宝され水に強く狂いにくいため、まな板や日本刀を収める鞘の材料として使われています。
特に日本刀を収める鞘としてはこれ以上にない逸材で、ホオノキの油分も少なく、刀の刃を傷めないほどの強度を持っているのが、重宝されてきたポイントなんだそうです。

また木曽あたりのホオノキは木材としていい木が多いといわれています。

昔の人は木の木材としての性質だけでなく、葉の特性もしっかりと理解し使い分けていたのがよく分かりますよね。