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全国の和傘を支える岐阜とエゴノキ

エゴノキってどんな木?

皆様、「エゴノキ」という木をご存じですか?

なかなか馴染みのない聞いたことがない木かもしれませんが、全国の山林に見られる広葉樹です。
5月ごろには小さい白い花を下向きに咲かせ、7月ごろにはオリーブのような小さい実をつける木です。
この実がじつは有毒で、実がエグイことからなまり「エゴノキ」となったといわれています。

さて、岐阜でエゴノキといえば、「和傘」にいきつきます。

岐阜県の全国での和傘の生産量は実は9割を占めております。
世に出る傘は洋傘が圧倒的に多い中、岐阜県が和傘の生産量トップだということは岐阜県内でも知る人ぞ知る情報かもしれません。

岐阜がトップシェアを誇っているのは和傘に必要な材料が揃っていることが大きな要因の一つです。
美濃和紙や骨組みに必要な竹はもちろんのことですが、ではなぜエゴノキという謎の木が出てくるのでしょうか。

気になりますよね。

和傘に必要不可欠な「ロクロ」

エゴノキは和傘を創る上で欠かせないある部分に使用されるのです。
そうその部分は「ロクロ」といわれる部分。
この部分は傘の開閉に必要不可欠な部分で、開閉の際に骨と呼ばれる竹を支える重要な部分です。

細かな切れ込みを入れ、その間に竹を支えても折れることなくしなり、粘り強いことからロクロに適した材としてエゴノキは重宝されています。

骨が集まる中心部分がロクロ

現在ではこのロクロを生産できるのは全国でただ一カ所。
岐阜県岐南町にある、とある木工所のみで生産をされています。
言わずもがな100%のシェアを誇っており、もうここが生産をやめてしまったら和傘を新しく作ることはできません。

今でこそ岐阜がトップシェアを誇っていますが、その昔はおそらく全国的に和傘の生産はされていたように思います。
現在では岐阜がそのほとんどを背負っているということで、材料の確保もそれを創る職人の継承も同時に行うことが必要で大きな問題です。

全国の和傘を支えるのは岐阜。
和傘を支えるのはロクロはエゴノキ。

ということで、岐阜県で「エゴノキ」といえば、和傘でした。