ナンジャモンジャの木、ヒトツバタゴの生態とは
岐阜県は森林率2位、森林面積も全国で5番目、県内でも標高差が海抜0mから3000mを超える山岳地帯があり、その環境の中で多種多様な植物や樹木が生息しています。
その中でも今日は珍しい木「ナンジャモンジャの木」をご紹介したいと思います。
ナンジャモンジャの木とは
皆さんも子供のころ「ナンジャモンジャの木」という単語は聞いたことあるのではないでしょうか。
よく名前の知らない木に、「ああ、あれはナンジャモンジャの木だよ」なんてことを教わりませんでしたか?
実はナンジャモンジャという木は存在していないのです。
よくわからない木や見慣れない木につけられる言葉で、クスノキやボダイジュ、ニレやクロガネモチなど多様な樹木に「ナンジャモンジャ」と名付けて呼んでいたことがその地域の言い伝えや文献から分かっています。
その中でも「ナンジャモンジャ」と呼ばれる代表的な木として名が挙がる「ヒトツバタゴ」という木があります。
ヒトツバタゴは岐阜県に生息している地域でも「ヒトツバタゴ」ではなく、「ナンジャモンジャ」と呼ばれ、それを物語っているのが、岐阜県土岐市にある県道66号線の「東濃なんじゃもんじゃ街道」です。
この街道はヒトツバタゴが植えられており、その地に馴染んだ樹木として人々に認知されています。
変わった分布を持つ希少種。
では、「ヒトツバタゴ」がどんな木なのか少しご紹介します。
モクセイ科ヒトツバタゴ属の落葉広葉樹で、5月頃に小さい白い花をたくさん咲かせます。
花言葉は「清廉」でそれを裏付けるかのように白い花が散ると木の下が真っ白に染まります。
さて、この木をなぜ紹介しているかというと、この木は全国的に珍しい木だからです。
珍しい木というには理由があります。
それは、生息している分布です。
このヒトツバタゴという木は不思議な分布を持っており、日本では対馬。岐阜県の東濃地方。愛知県の木曽川流域、になぜか点々と分布をしているのです。
一般的な樹木は風や鳥が種を運びその土地や気候条件等が合えば成長し、分布を広げていきます。
なので、ほぼピンポイントに分布しているこのヒトツバタゴという木は大変珍しい木なのです。
さらに、日本でもまれな希少種の一つで、岐阜県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
自生している自生地には国の天然記念物に指定されているところもあり、その貴重さがうかがえると思います。