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岐阜城の下に咲く金色の華

岐阜県の有名な偉人といえば「織田信長」はその一人といえます。

JR岐阜駅の前には黄金の信長像が立っており、岐阜市内を走るバスに信長のイラスト、お土産屋さんに行けば家紋の入ったキーホルダーが売っていたりと、ゆかりある地として認知されています。
その織田信長がいたとされる城「岐阜城」は岐阜県岐阜市に位置し、岐阜市のシンボルといっても過言ではありません。

金色の華が咲く山

さて、岐阜城は「金華山」という山の上に建てられています。
岐阜市の中では二番目に大きい山で標高は329m。
手軽に登れることやコースがたくさんあることから地元に愛され、登る人はたくさんいます。
頂上まで行けば長良川や岐阜市を一望でき、ドライブウェイからの夜景は綺麗だと評判です。

そんな市民の憩いの場ともいえる金華山は「金色の華」が咲く山とされ、その姿から名前が付けられました。
この金色の華とは「ツブラジイ」と呼ばれる樹木の華のことを指しています。
金華山はツブラジイが密集しており、開花時期の5月頃になると、一斉に華を咲かせるため、山が金色に染まっているかのようにみえることからその名が通りました。

ただ、金色になったといっても激しく色が変わるわけではなく、新緑が芽生えた青々としている山々に比べると金華山だけ金色にみえるといった感じです。
左下の写真の特に右側はわかりやすく金色にみえますよね。

金華山
まわりの山は青い

ツブラジイとは

ツブラジイはブナ科シイ属で、別名コジイともいいます。
これは日本に分布するシイが2種類であり、もう一種「スダジイ」と比べると小さいためです。

コジイはどんぐりがなる木であり、どんぐりの中でも渋味が少なく生で食べることができます。
シイは縄文時代から人間が食べていたとされ、その時代では貴重な食糧の一つでした。
今となっては目にすることや口にすることは格段と減りましたが、現在でも、風習として食べる地域も残ってはいるようです。

華は金色と説明しましたが、実は葉の裏も光沢があり金色をしています。
なにかと金色と縁のある樹木です。

岐阜のシンボルともいえる「岐阜城」の下を金色に彩るツブラジイは今も昔も私達を景観として楽しませてくれる岐阜の木です。