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飛騨の家具と使えないといわれたブナ

高山市は面積が2177.67haと“日本一広い市”としても有名ですが、その大きさは東京都に匹敵します。
その広大な土地のうち93%は森林で占められており、実は森林率も日本一高い市なのです。

家具の名産地 高山

そんな岐阜県高山市は言わずとしれた家具の名産地です。

家具製造業の出荷額は全国でも4位。
木工産業としての出荷額は全国で7位となっています。

参考:平成30年工業統計調査 岐阜県産業経済振興センター

歴史は味噌屋から

飛騨の家具の歴史は、大正9年。

高山町上三之町のとある味噌屋がその舞台となりました。

お客として森前という兄弟二人が訪れ、味噌屋の店主と雑談ついでに「ブナの木だって使いようによって立派な椅子になる」と話したことがきっかけです。

二人はブナの木を蒸して曲げ、椅子やテーブルを作る工場で働き、技術を身に着けて帰ってきていました。
味噌屋の店主はブナの家具作りについて詳しく話を聞き、曲げわっぱの名職人であった廣島という者と結び付けたことが、飛騨の家具の歴史の始まりです。

飛騨・世界生活文化センター内 ミュージアム飛騨より

ここでキーになっているのが「ブナ」です。
ブナは“木で無い”と書いて「橅」と呼びます。

その名の通り、ブナは水分をよく含んでいて乾燥させることが難しく、また狂いや腐ったりなどで、今よりも広く木材が使われていた時代に、何にも使えない木という認識でした。

高山の山にはそんな伐られることがないブナがうっそうと生い茂っており、土地には壮大なブナ林がありました。

そんな何にも使えないと思われていたブナは実は曲げ強度が強く、蒸して曲げると椅子などに使える立派な材料になるのです。 ここに着目し資源と技術を駆使して、『飛騨の家具』はその認知度と技術力を上げていきました。

ブナについて

ブナ科ブナ属の落葉広葉樹。
北海道から九州まで広く分布しています。
材は硬く弾力性があり、上記にある通り、曲げ木の椅子や家具材として使われます。
またどんぐりの実がつく木としても知られています。

他にも日本最初の世界遺産である「白神山地」は世界最大級の“ブナ”の原生林がみられます。

ブナの特性を理解し、広大な資源がある高山のブナを活用したことから始まった曲げ椅子作り。それが広がり飛騨の木工産業はさらに発展をしました。
木を知り尽くした「飛騨の匠」の技があったからこそここまでのことができたといっても過言ではないでしょう。