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岐阜の木「一位」

みなさん、岐阜県の県木をご存じでしょうか?

岐阜県は森林率全国2位の81%、飛騨地方には広葉樹林が広がり、東濃地方には日本に誇れる東濃桧や、日本三大桜の薄墨桜などがあります。
岐阜に関わる木やそのほか特用林産物はたくさんあるといっても過言ではありません。

イチイとは

そんな岐阜県の県木は「イチイ」です。

岐阜県に住んでいても聞いたことがない方もみえるかもしれませんね。
あまり一般的に耳にする様な樹木ではないと思いますが、もちろん岐阜に関わりのある樹木です。

イチイはイチイ科イチイ属の針葉樹で、日本に生息している樹木です。
耐陰性が高く(日陰に対する耐久が高く)、成長の遅い木です。
そのため嘘か誠か胸高直径が30cmほどになるまでに100年近くかかるとも言われています。

漢字では「一位」「櫟」と表されます。

この一位というのは、約800年前に天皇に献上した笏が高い評価を得たことから、その当時の最高位「正一位」からとって名付けられたといわれております。

伝統的工芸品『一位一刀彫』

では岐阜県とどのようなつながりがあるのでしょうか。

岐阜には「イチイ」を使った伝統工芸品があります。
高山地方に江戸時代からある「一位一刀彫」です。
イチイを使い、材料によっては樹齢300年以上の木材を使って造るそうです。
根付彫刻が原点の伝統工芸で、艶のある赤身と白太をうまく利用して作られる彫刻は小さいながらも巧妙に作られています

頭は白太が入りうまくデザインされている

この一位一刀彫は「伝統的工芸品」に指定されており、岐阜には「美濃焼」「飛騨春慶」「美濃和紙」「岐阜提灯」「一位一刀彫」の5点しか認定されておりません。

下記の用に決められた規定の中でその技術は今も守られています。


〔技術・技法〕
1.原木の木目及び「白太」または「赤太」部分の色を製品の表面にいかすように、紙型、のこぎり、つきのみ等を用いて「木取り」及び「新彫り」をすること。
2.仕上げは、製品の外形が鋭利又は簡潔になるように、のみ等を用いて彫ること。
3.彩色をしないこと。

〔原材料〕
1.原木は、イチイとすること。

日本一のイチイ

また、それを象徴するように高山には 国指定天然記念物に指定されてた日本で一番大きいイチイがあります。

大きいとはいっても成長が遅い木ですので他のいわゆる巨木といわれる樹木と比べると大きくはないのですが、幹回りは7.95m。枝張りは13m。
樹齢はなんと2000年以上といわれているようです。

この地域では墓標としてイチイを植えることがあるようなのですが、このお墓の屋号が「治郎兵衛」と称したことから、「治郎兵衛のイチイ」と呼ばれています。

岐阜の木「イチイ」
覚えて頂けましたでしょうか。

近いうちに市の木についてもコラム書いてみたいと思います。