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広葉樹を取り扱う日本一の木材市場

今日のテーマは「木材市場」です。
木材市場は基本的には業者しか立ち入ることが出来ず、一般の方に見てもらう機会は少ない場所です。
そのため、あまり知らせていませんが、実は岐阜には『広葉樹を取り扱う日本一の木材市場』があります。

今日はその市場、岐阜銘木協同組合(略称:岐阜銘協)について紹介していきたいと思います。

木材市場とは?

「木材市場」とは「各地の山から伐採された木が集まってくる」場所です。
市場には山から伐ってきた「原木」と呼ばれる丸太の状態と、丸太から製材された「製品」の状態で並ぶことが多いです。どちらかだけを扱っている市場もありますが、岐阜銘協ではどちらも取り扱っています。

原木
製品

そもそも日本の木材市場では、ヒノキ・スギなどの針葉樹をメインに扱う市場の方が多く、広葉樹をメインで取り扱う市場は全国的にみてもあまり多くありません。

この針葉樹メインの市場と広葉樹メインの市場が別れているのは、最終的な目的の違いからです。
針葉樹がメインの市場は建築材料として買いたい人が集まり、広葉樹がメインの市場は家具や一枚板等の材料として買いたい人が集まります。

岐阜銘協では、ケヤキ、トチなどの国産材はもちろん、海外から輸入されたウォールナットなど、針葉樹の市場に比べて取り扱う樹種の種類はかなり多いです。

また、その中でもいわゆる「銘木」と呼ばれるものも集まります。
それは高樹齢・大径木・長径木など、それ自体に希少価値のあるものや、希少な「杢」と呼ばれる独特な模様が出るもの等、「銘木」と呼ばれるに相応しい価値の高いものも集まります。

トチの「縮杢」と呼ばれる杢。

なぜ岐阜に?

一番の理由としては、岐阜が日本の中心に位置しているという”立地”という点があげられます。現に全国各地から市日前にものが運び込まれ、市日に売れて、また全国や世界に渡っていきます。
日本の中心だから、木も人も集まりやすいのです。

日本一の広葉樹市場

岐阜銘協では毎月1回、市があり、2日間「製品」と「原木」に分けて競り売りで売買されています。
月によりばらつきはありますが、毎月製品は約3,000~5,000点、原木は1,000~2,000点が競りにかけられます。


少し競りの様子を写真で見てみましょう。

製品のセリの様子

競り子が対象の商品の前に立ち、買いたい人は声やハンドサインを使い競りに参加をします。
一日で何全点と競るため一点あたりにそんな多くの時間はかけられません。短い時間で競りにかけられ、次々と売り先が決まっていく面白い世界です。

原木のセリの様子

いかがだったでしょうか。

実際に見てもらうようなことは難しい場所なので、木材市場を少し覗いてみた感覚で記事を読んでいただけたのではないかと思っております。
業界人だけに密かに知られている、『日本一の木材市場』が実は岐阜にあることを、
皆様にもぜひ知ってもらえたら嬉しい限りです。